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大学2年で早稲田大学を休学しハンドボールの指導者留学。クロアチアで感じた確かな日本との違い

小林佑弥

 

こちらの記事は、「 大学2年で早稲田大学を休学しハンドボールの指導者留学。クロアチアで感じた確かな日本との違い」の続編になります。こちらも併せてご覧ください。

 

今回は日本人として初めてコーチ留学のためにクロアチアに渡り、現在は藤代紫水高校のGKコーチ、茨城県国体少年男子ハンドボールボールチームのアナリストとしてご活躍されている早稲田大学2年小林佑弥さんに、実際に肌で感じたクロアチアのハンドボールや、指導方法などをインタビューさせて頂きました。

 

クロアチアで感じた確かな日本との差。日本の課題は一体何か。

 

ーークロアチアではどんな生活を送っていましたか?

平日は語学学校と練習があったんですけど土日は暇だったので、とりあえずハンドボールをやっていそうな体育館に足を運んで、男子でも女子でも高校生でもちびっ子でもいいから観ようと思って体育館に足を運んでいました。

 

ーーちびっこからトップチームまでの練習を見て、日本と違うと感じるところはありましたか?

一話完結型の練習が多かったです。日本だと一ヶ月くらい集中して同じテーマで練習しますけど、クロアチアだと曜日で練習を分けてるところが多かったですね。

 

ーー海外の指導方法を日本に持ってくるのは難しいですか?

そうですね。帰って来てからの方が大変だなと感じますね。

 

ーーそれを実行できたら確実に良くなるという自信はありますか?

こっちの方がプランを建てやすいし、選手も飽きないからいいかなと思っています。

 

向こうでは週末の試合に向けてメニューを組んでいたので、例えば火曜日はラダートレーニングとかサーキットをやって、あんまりハンドボールをやらないみたいな感じで、水曜日木曜日辺りから戦術練習に入っていってていう感じでしたね。

 

ーー今日はこれっていう分野を決めてやっていくって感じですか?

そうですね。

 

ーー日本だとどういう練習をするイメージですか?

日本ではあまり対応の仕方の練習をさせてもらえないような気がしています。トーナメント形式だからどっちかっていうと自分たちの色を出した方が勝つっていう感じなので、自分たちの色を強くすることに重きを置いている気がします。

 

ーー向こうはトーナメント形式じゃないのですか?

トーナメントはほとんどないです。ほとんどがリーグ戦です。

 

ーーえっ、学生の時からリーグ戦なのですか?

そうですね。日本だと大学生になってやっとリーグ戦に変わりますけど、クロアチアは小さい頃からずっとリーグ戦ですね。

 

ーーじゃあ日本みたいに土日でまとめて試合をやるとかではなくて、何週間にも渡って試合があるということですね。

そうですね。大人と同じように、小さい子たちも9月に開幕して5月くらいまでずっと長いシーズンを戦います。

 

ーーおもしろいですね!それだと日本と違って自分たちの色を出すというよりも、相手チームへの対応の仕方とかを考えるようになりますね!

相手チームへの対応を学ぶクロアチアのスタイルの方が、プラスに働いていることは多いと思いますか?

 

そうですね。それは間違い無いと思います。

最近強くそれを思い知らされているところがあって、例えばサッカーでもそうだし、ハンドボールでもそうなんですけど、試合中に修正をかけていって、試合開始時とはまったく違う色を試合後に出しているチームが勝つんだなっていう風に思って。

 

例えばサッカーで90分間同じことをして勝つっていうのはめちゃめちゃ難しいことだと思いますし、ハンドボールでも60分間同じことして勝つっていうのは多分難しいと思います。

 

ただそれが高校生くらいだと、なんとかなってしまうかもしれません。

 

ーーそれはあまり良くない?

それは分からないです。でも18歳になった時点でのクロアチアの選手と日本の選手では、それまでこなしてきた試合数に大きな開きがあると思います。

 

ーー経験の面で差が出てしまっていますか?

課題としてあげられるもので、よく国際経験と言いますけど、もちろん自分より20cm高い相手から点を奪うということとかも慣れが必要ですけど、まずハンドボールそのものの経験が少ないことを問題視しないといけないなと思っています。

 

ーー試合経験が日本の選手たちは少ない?

少ないですね。仮に日本の茨城県の中学生が全部の大会無敗で一年間戦ったとしても、多分それはクロアチアの同い年の子たちの二分の一くらいしか試合できていないと思います。

 

しかも、クロアチアのチームは大体2歳区切りなので、大体試合に出られるんですよ。だけど日本の中学生は大体三年生の時しか試合に出られないですよね。

 

そこでだいぶ差がつくと思います。なので育成に関して今問題点をあげると、試合数が少ないということと、試合に出られない子供が多すぎること、1チームが抱える人数が多すぎるということですね。

 

ーーそこを変えたいという思いはありますか?

変えたいですね。指導者不足はもちろんあるんでしょうけど、大学はもっと厳しい状況で、日の丸をつけているような選手でも1,2年の間は試合に出られないということがあります。

 

それなのに国際試合に行ってこいと言われるので、完全に試合勘を失っているとか、コンディションが悪いのに試合をするっていうことが起きてしまいます。

 

大学ならできると思うんですけど、AチームBチームの二重登録を認めて、BチームでよかったらAチームに引き上げるとか、Bチームだけのリーグを作ってしまうとかやっていけば、すごく大学が良くなると思います。

 

クロアチアも基本的には18歳で完成することを目指していると思うんですけど、もちろん21歳とかで開花する選手もいて。

 

これはクロアチアという国だからできるというのもあるんでしょうけど、RKザグレブの強化の仕方として、外部委託をするんです。

 

下部組織で育てても育ちきらないという時に、同じリーグの別のチームに、レンタルで移籍させてなんとかU-20の選手の試合経験のなさを補えているんです。

 

小林佑弥

 

ーー指導者は皆ライセンスを持っていた方が良いと思いますか?

そうですね、選手に練習の意図を説明する時に論理的でないと、根拠が少し弱い気がします。

 

例えば、俺は早稲田大学でプレーしていたからっていうのだと、少しきつい。そこが僕はA級ライセンス持っているからってなれば、ちゃんと勉強した人なんだってなると思います。

 

そこはしっかりと指導のベースとなる部分を国として作っていければ、良いかなとは思いますね。

 

ーークロアチアに行って何か驚いたことはありますか?

中学生とか高校生によく見られるんですけど、ミスしたら監督の方を見るんですよ(笑)

 

ーーどういう意味ですか?

おい、なんとかしろ!ってことですね。あんたがなんとかしてくれないとこういうことになるんだよってことです。

 

お前の指示が間違っていたんだよっていう主張ですね。

 

ーー自分がシュートを外しておいて監督のせいにしてるんですか?(笑)責任転嫁みたいなものですね(笑)

 

そうですね。

 

ーーそれくらい指導者に求めているものが多いってことですか?

指導者の責任の所在がちょっと違う部分があって、結構ベンチからの指示って日本以上に厳しかったりするかもしれないです。

 

例えばクロアチアでは攻撃のきっかけをベンチから指示することが多くて、それって日本だとせいぜいセンタープレイヤーが指示したりサインを出したりするくらいじゃないですか。

 

それが向こうだと少なくて、結構監督が口を出すから、今のシーン間違っているだろって感じで、ミスにつながると今のシーン間違ってるだろってベンチをみますね。

 

ーーセンタープレイヤーじゃなくて、監督が指示する方が良いと思いますか?

そうですね。センターが見えている景色と監督が見ている景色ってやっぱり違うので、監督は全体が見えていて、さっきこれ使ったからこっち使った方が良いなっていう選択もできるので、その方が良いと思います。

 

どこからの攻撃が多用されているのかっていうのも見えますしね。

 

(この記事の続編はこちら「大学2年で早稲田大学を休学しハンドボールの指導者留学。帰国後に取った行動とは」)

 

 

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