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「すべては『自分で好きといえる「ジブン」になる』ために」 文武両道に魅せられた男の指導哲学と人生哲学。

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NPO法人Sports Country Ambista(スポーツカントリ―アンビスタ)代表理事の石尾潤さん。

法人で運営している女子サッカーチームFC HERMANA(エルマナ)で指導をする傍ら、彼女たちの文武両道を支援する塾「Academia Ambista(アカデミア アンビスタ)」を経営している。

 

文武両道と聞くと、「学生の本分は勉強なんだから、スポーツだけじゃなくて勉強もするのは当たり前だ!」という声が聞こえてきそうだ。

中学生時代から文武両道を貫く石尾さんも、文武両道を決意したきっかけはネガティブなものだったという。

 

そんな石尾さんにとって文武両道とは何だったのか?

「『自分で好きといえる「ジブン」になる』ために文武両道に挑戦してほしい」と語る石尾さんの哲学は・・・?

 

 

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石尾潤
2009年 私立國學院大學久我山高等学校で全国高校サッカー選手権ベスト8
同年 早稲田大学教育学部入学と同時にサッカーの指導者に転向
2012年 大学4年次には小中学生対象の男子サッカークラブでヘッドコーチを務めながらスポーツイベント事業を興す
2013年4月から学校法人三幸学園東京未来大学でキャンパスアドバイザーとして学校経営及び教務・就職支援の業務を3年間歴任
2016年4月にNPO法人スポーツカントリーアンビスタを創設し、代表理事に就任。

 

 

勉強は「大人を黙らせる武器」でしかなかった

 

もともと文武両道をしたいとか、しなきゃという感覚はあまり僕の中にはなかったんです。文武両道を始めたきっかけを話すと、中学時代までさかのぼります。

 

そもそも幼少期は勉強っていうものを全くしていなかったんです。学校が終わったらすぐにランドセルをほっぽりなげて、夜遅くまでボールを蹴って、プロサッカー選手になることを夢見る、ザ・サッカー少年でした。

 

そんな状態で中学生になり、プロを本気で目指していた私は部活動には入らず、地域のクラブチームに入ったんです。ここで早速人生を変える壁にぶち当たりました。

 

中学校に上がると定期テストというものが始まるじゃないですか。でも、当時の私にはテストのために勉強をするという概念がなくて、サッカーばっかりやってほとんど勉強しなかったら、1学期の中間テストの結果がほんとにやばかったんですよ(笑)

 

それでも当時自分の中に「やばい」という意識はまったくなかったんですが、帰宅部のそんな状況の私を見てれば、当然周りの大人が騒ぎ始めますよね(笑)そこで、勉強ができなかったら、自分が心から大好きなサッカーにこんなにも制限をかけられてしまうんだ、と初めて気付いたんです。

 

その気付きこそが、私が文武両道をスタートするきっかけでした。分かりやすい言い方をすると、「勉強はちゃんとやるから、サッカーに関しては絶対誰も口出しするな」というオラオラスタンスです(笑)だから、勉強がしたいとか、楽しいとか、文武両道をする必要性を感じたとか、そういうのでは一切なかった。勉強すれば、大人を黙らせられる、何の力も経験もないサッカー小僧が大人を黙らせる唯一の武器が、「勉強」だったんです。

 

それから3年間、クラブチームを卒業するまでサッカーの練習を休んだことは一度もありません。でも、やるといった以上、中途半端にはしたくなかったので、本気で勉強を頑張りました。最終的に、成績はオール5で、偏差値は70近くありましたよ(笑)。

 

それでも、やっぱり常にサッカーが第一優先。高校受験の時も、久我山は偏差値高いから塾行って勉強しなよ、とか、その偏差値ならもっと高いレベルの高校を目指したら?みたいな話はあったんですけど、「いやいや、ちょっと待ってよ」と。あくまで勉強はサッカーという権利を得るためにやっているだけで、成績・偏差値基準でなにかの判断をすることなんて、有り得なかったんです。自分の中ではサッカーをすることが基軸にあって、勉強はあくまでツールでしかなかったので。だから、サッカーをする時間を削って塾に行くとか、志望校を変えるとかっていう価値観そのものがなかったんです。

 

 

ガムシャラに頂点だけを目指した高校時代

 

國學院大學久我山高校に進学してからもその考え方は変わりませんでした。中高一貫の進学校である久我山では、朝は7時30分から、夕方16時過ぎまで授業があり、そこから部活を週6でやっていました。

 

サッカー部にいたのは、中学時代に0-10で負けていたような強豪チームのエース級の選手ばかり。紅白戦にさえ出られない日々が続き、少し這い上がって練習試合に出ても、上には上がいることを知り続けた私は、生まれて初めて「サッカーをする意味」を見失うほど、追い込まれていました。

 

人生最初で最後であろうというほど精神的に追い詰められた私に見えた一筋の光、それが、中学時代の監督の存在だったんです。この環境に身を置かせてもらっていることの感謝、この気持ちを行動で返すために、久我山で学べるすべてを吸収しきって、それを監督のために使っていこう、そう決断をしたんです。

 

だから、高校1年で宣言してきました。「オレ、サッカー辞めます。今すぐじゃないけど。オレ、高校サッカーで日本一になって、勉強で日本一偏差値が高い大学に入ります。だから、大学生になったら、オレを指導者として雇ってください」と。これが、初めて私にとって『文武両道』に意味づけができた瞬間でした。

 

当時まだサッカー部は強豪ではなかったんですけど、部員150名のどん底の地位から、高校3年時にはレギュラーをつかみとることができました。最後の1年は高校の東京都リーグ1部・インターハイ・選手権、で史上初めて東京都3冠を成し遂げました。とはいえ、久我山サッカー部60期である私たちの世代で選手権に出るのが3回目。全国の舞台では経験・地力の差が出て、結局ベスト8で敗退してしまいまいた。

 

当時、一般受験で国立最難関校を目指しながら、1月まで部活動に励むというのは学校の中でもまだまだ「珍しい」存在でした。しかも私は塾にも行っていなかったので、ひらすら各科目の先生のところを回りまくって、本当に本当にかわいがってもらいました。自分専用のプリントを作ってもらって、それを朝までかけてやって、次の日朝7時から先生が一緒に学校に来て丸付けや説明をしてくれたり・・・みたいな。学校をあげて私の勉強のサポートをしてくれて、高3の1年間を乗り切ったんです。それなのに、結局第1志望の大学の入試には、落選。当時の落ち込み用は半端じゃなかったですが、なんとか引っかかった早稲田大学教育学部に進学することを決断しました。

 

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大学入学後、指導者の道へ。
指導者に必要なのは「物語力」

 

先ほどお話した通り、高校でサッカーを辞めることは高1の時に決めていました。

なので、受験が終わり次第、すぐに「何も成し遂げられなかった悪夢の高校3年間」を報告しにクラブに帰り、改めて指導者になりたいという想いを伝えたところ、監督は言葉少なに「わかった」と。

 

そして、その翌日から、いきなり一つのカテゴリーを任せてくれて、「どうにかしてみろ」と。ここから4年間、私は大学の授業はすべて平日の1限~4限のみに詰め込んで、週10日くらいサッカーの指導にのめり込んでいきました。(笑)

 

指導を始めて感じた難しさは、すべてが自分の思い通りにいかないこと。自分が選手の時は、自分さえ意識をすれば、少なからず何かが変わるじゃないですか。でも、自分が指導する立場になった時に、自分がこうしたほうがいいと思っても、目の前には何も変わらない子どもたちがいる。自分の力で変えられないなにかが、そこにあったんです。

 

そこからいろいろ勉強して、試行錯誤をして、今では指導者に一番大事なことは、『物語力』だと思っています。私が言う『物語力』とは、いかに子ども一人ひとりの成長ストーリーをリアリティのある形で組み立てて、その脚本の主役を子どもに演じさせることができる力、です。そういった意味で、子どもたちの「今」を一つのプロセスとして捉えることができるかどうかが大事です

 

指導者を始めたばかり頃は、今その瞬間だけを切り取ってしまっていたんです。それで、「なんでできないんだよ」「なんでわかんないんだよ」ってなってストレスをためて、怒鳴って、走らせて。今思えばほんとにヒドイ、いつか当時の子たちに心から謝りたいですね。(笑)

 

でも、自分の中でストーリーを描けるようになってきて、子どもたちの状態をプロセスとして捉える感覚が出始めてから、今その子がどの段階、どの場所、どんな気持ちで、この瞬間どういう関わり方(言葉選び)をすればいいのかが見えてきたんです。

 

それを子どもたちと共有するために意識していることは、自分の思考をすべて言語化し、私の想いや期待や愛情をクリアに伝えることです。今あなたはこれができて、あれができない。こっちは良い、あっちは悪い。ということは周囲の人が驚くほどハッキリと伝えます。それはあくまで私から見た主観でしかないので、別の角度から見れば異なるなんてこと、わかってるんです。でも、こんなに腐るほど大人がいるこの社会で、なにかの巡り合わせで子どもたちに指導者として「出会った責任」があるから。ただただ嘘をつくことなく、まっすぐ子どもたちと向き合って、その責任をまっとうしたい。だから、私が思うことをすべて明確にして、その前提を擦り合わせて、その後に理想(期待)の状態を一緒に想像してワクワクニヤニヤするんです。あとは、「じゃ、そこまで一緒にいこっか」って感覚です。

 

そうやって現状と理想をバシッとそろえて、その間のプロセスは選手に考えさせるようにしています。その道を提示することはしません。そして様子を見ながら、ちょこちょこ軌道修正をしていくのが、今はやり方としてしっくり来ています。

 

 

スポーツ界の人間教育に違和感。
「状況判断」ができるいいやつらを育てたい。

 

 どこのスポーツクラブでも「人間教育します」って表では言ってますよね。それ、私もものすごく大事だと思っているんです。スポーツに励んだって、結局それを仕事にできる人なんて・・・ねぇ。でも、スポーツに思いっきり染まることは、人生においてかけがえのない宝物になる。そういった意味でも、「スポーツを通じた人間教育」って大事だなって思っています。

 

でも、私の中では、それを「教えている」という感覚があまりないんです。例えば「バックを並べなさい」とか「コーチが来たらこっちに来てあいさつしなさい」とか「移動は必ずジョグをしましょう」とか、そういうことを厳しく言ったことは正直ない。

 

それが大事だと思っている自分がいる反面、スポーツ界のそういうところに違和感を持っている自分もいて、なんか機械的というか、気持ち悪さを感じていたんです。なんか、グラウンドについたらみんなゾロゾロ挨拶しにきて、目も見ず、気持ちも込めずに、「こんちはー」って、オイ!!って。(笑)それが本当に正解なのかな?と。

 

私は、グラウンドの中でも外でも、最も大事なのは「判断」をすることだと思っています。周囲を見渡し、状況を理解して、自分を俯瞰し、その場において最も適切な判断をできるかどうか、です。単純に、外から見てだらしなく思われるんだったら、バックや靴を並べて好印象を持ってもらえた方がいいし、早く次のトレーニングに入ったほうが効果的ならジョグで移動したほうがいい。けど、別に歩いてたってなんの問題もないタイミングだってある。

 

だから、人間教育(マナー教育)を振りかざして、ルールにしてしまうのは嫌なんです。選手が判断を下す機会を無くしてしまうことになるから。でも、その代わりに、判断基準は教えていかなければいけません。ここは大きく賛否両論があるかと思いますが、私は、この辺りの指導については、いつもあえて後手後手で伝えるんです。

 

先にこうしろとは言わない。選手が失敗してから、あくまで私の気持ちを伝える。「今みんなさ、こうしたじゃん。あそこに~さんいたの気付いた?いやぁ、オレだったらスゴイ悲しいというか寂しいなぁ、今みたいな感じの振る舞いされたら」、みたいな感じ。(笑)

でも、これを数ヶ月やってれば、恐ろしいほどの子どもたちは先手先手を取るようになっていくんです。もはや、私が気づかないことまで勝手にやっちゃいますよ。

 

文武両道を志す子どもたちを支援したい!

 

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2016年4月に、NPO法人スポーツカントリ―アンビスタの立ち上げと同時に、文武両道を志す子どもたちの支援に特化したアカデミー“Academia Ambista”を創設しました。文武両道を志す子どもたちの支援をしたいという想いは、独立をする前からずっと持っていました。

 

このアカデミーのキャッチコピーは、『文武両道を通じて自分で「好き」といえる『ジブン』になる』。子どもたちには、「自分の人生の主人公を思いっきり生ききって」欲しいなと思っています。まるっと言うと、幸せに生きて欲しい。

 

変な話ですが、日本女子サッカー文化の現状を見れば、このスポーツを「ずっと続ける」子の方が少なくて当然だと思うんです。じゃあそんな子たちが中学校3年間という青春を、このクラブに捧げてくれていることへの恩返しとしてなにができるかな、と。そこで、結局、何をやっていたとしても、今なにかに情熱を注いで生きている自分が好きって言うことができたらそれで幸せだなって思うです。私は、文武両道を通じて、そういうジブンを作っていくことが大事だと思っています。

 

今このアカデミーに通っている子は、週5日私が監督を務めているFC HERMANAの選手としてサッカーの練習をして、週1日一緒に勉強をしています。Academia Ambistaでは、教科教育は全く行っていません。私が前職の大学教員兼職員時代に培った経験から、マインドセットやソーシャルスキル(社会人基礎力)の習得を目的としたグループワークやケーススタディを重点的に取り入れています。

 

でも不思議なもので、そういった根本的な人間力?の向上を目指した結果、監督就任1年目にチームは史上初の東京都ベスト16に進出・初の東京トレセン輩出、学校の定期テストの在籍者平均は3ヶ月で16点も上がったんです。勉強とサッカー、すなわち文武両道に対する自分なりの意味づけをして、あとは適切な目標を設定し、それを実現するためのプロセスの構築の仕方さえわかれば、勝手にスポーツ技能や学力は伸びていくと考えています。

 

そのプロセスを私はPDCSサイクルと呼んでいます。普通はPDCAなんですが、あえてPDCSにしています。「S」はShareです。自分がPDCを回したそのプロセスをみんなに共有することで、周りも成功も失敗も含めて、いろんな人間の努力の仕方を疑似体験することができて、その分だけ自分に合った方法を見つける精度が上がり、成長スピードが加速度的に上がっていく、そういう感覚です。

 

 

一人でも多くの子どもが文武両道に挑戦し、そして、確かな成果を残せるように。

 

Academia Ambista創設に込めた想いは完全に自分の経験からくるものです。

 

私自身、文武両道に励んでいた頃は、文武両道をすることが将来どう活かされるのか、文武両道の先に何があるのかは全く見えていなかった。自分の中で、「あんなに頑張ったのに、何も望むものは手に入らなかった」高校時代は、究極の失敗で、負の経験でしかなかったんです。

 

選手権ではベスト8まで行けて、大学も早稲田に行けて、贅沢だと言われるのは重々承知なんですけど、あんなに勉強してあんなにサッカーしたのに、自分の望んでいたものは手に入らなかった。ただ「つらかった」という事実しか残っていなかったんです。結局、文武両道にきちんと意味付けができたのは就職活動を始めたころから、最終的には社会人になってからだったと思います。

 

でもそれって、なんだかなぁって。単純に、自分の身近に、あの強烈な苦しみのプロセスに、少しでも前向きな意味づけやフォローをしてくれる大人がそばにいてくれたらって、ふと思ったときがあったんです。

 

その言葉に対してリアルなイメージは持てないとしても、中高生の時から何らかの目的意識を持って、「こういう自分になれるかも」みたいな希望とかワクワク感を持ちながら、ポジティブな意味付けをしながらサッカーと勉強をやれていたら、もっと大学生活の過ごし方が変わったかも、とか、その強みをもっともっと生かして就活できたかも、とか。

 

だから、これからは、私が一人でも多くの文武両道を志す子どもたちにとって、そっと支えつつ、少し休ませつつ、ドンっと背中を押しつつ、その成長プロセスを伴走していけるような存在になりたいんです。

 

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これからの時代で求められるのは答えを「出す」力じゃない。答えを「創る」チカラ。

 

大学に進学して、社会に出て気づいた最も大きな衝撃は、シビアな社会では絶対唯一の正解(成功する手段)は用意されてないなということでした。

 

幼小中高と、私はいつも与えられた問題に必ず答えを用意してもらっていて、その答えをいかに早く正確に導き出すか、という教育をずっと受けてきました。その力をつけるために必死に勉強して、出した答えにはいつもマルかバツが付けられて、何点で・・・というものでした。

 

でも社会に出たら、「そんな問題ないじゃん」って。誰も何も答えを用意してくれていない、つまり、答えそのものが無数にある中で、「こうした方がいいと思う」という自分なりの答えを創り出す力があるかどうかが勝負だなって気づいたんです。

 

その時に初めて、文武両道に励んできたことによって得られた宝物に気づいたんです。

 

勉強とサッカー両方で結果を出す、そのプロセスの中で自分なりに「こうしたらいいんじゃないか」と仮説を立てながら実行していくサイクルを、普通の人よりも半端じゃないスピードで半端じゃない回数回してきたなと。単純な話で、勉強だけとか、サッカーだけの人よりも、少なくとも2倍はそのチャレンジをする権利を得ているわけじゃないですか。文武両道をしていたことで、自分で納得できる答えを創り出す力がついたなと感じたんです。

 

高校卒業までの私は「結果」にしか目が向いていなかったのですが、自分のためになる宝物は結果までのプロセスにあったんです。だから、子どもたちには、その価値に早く気づき、その力を活かす応用力まで身につけて欲しい。さっき話した判断の話にも繋がりますが、大人から答えをもらえることを待つのではなく、主体的に新しいことにチャレンジしていける前向きなマインドを持った人財に。

 

 

スポーツが持つ「つなげる力」

 

私たちの法人はミッションとして、「人々が安全な環境で適切な指導のもとスポーツを楽しみ、心身の健康と成長を感じると同時に、スポーツを通じた人との絆を得る機会を提供し続けること。」を掲げています。

 

つまり、『スポーツの「つなげる力」を通じて、荒川・足立・葛飾区を“自然なあいさつが飛びかう故郷(マチ)に”』にしたいのです。現在は子どもたちを対象とした「育成スポーツ」に特化した事業展開となっていますが、将来的には、大人を対象とした「生涯スポーツ」、さらにはシニアを対象とした「福祉・健康スポーツ」にも事業を拡大させていきたいと思っています。

 

私は、スポーツが持っている本質の力って、「つなげる力」だと考えています。それはその場で関係性の性質の違いだと思っていて、例えば、社交パーティーで30人が集まって、ご飯食べてお酒飲んでお話しして、有難うございましたさようなら、となる人たちの関係性と、30人の集まりの中にボールが1つあって生まれる関係とを比べると、その絆の深さって違うと思うんです。

 

ただ会って話をするだけではなくて、スポーツをすることで感情を共有することができます。いい意味で勝敗があって、点が入って嬉しい、負けて悔しい、いいプレーができた達成感を味わう、そんな揺れ動く感情を自然と心で感じ合うことができる。だって、大きな規模で言うと、W杯やオリンピックなんかは世界中の人が同じ光景を見て、そのときの感情を共有し、涙を流したり、抱き合って喜んだりするんですよ?そういう意味で、スポーツには普遍的に人を「つなげる力」があるなと思っています。

 

だから、私たちは、その力を活かすことで、人々の想いを、町をつなぎ、そして、「東京の下町三区(荒川・足立・葛飾)を一つにしたい」と考えています。本来出会うはずのなかった人と人がスポーツを通じて出会い、絆が生まれ、人生を共に歩んでいく。町を歩くだけで自然と挨拶が飛び交い、そこら中に笑顔の花が咲いている、そんな温もりある町をつくっていきたい。その地域に暮らす人々の生まれた場所は異なっていても、今住んでいる場所に”ふるさと愛”を感じ、「私が住んでる町ってめちゃくちゃ良いトコだよ!」と胸を張って言える、そんな笑顔と愛情でいっぱいの温かい地域文化を育んでいきたい、そう考えています。人を介して次世代へと「ふるさと」文化が受け継がれていく、そんな未来を目指して。

 

 

 

今を生きること、これが、すべて。

 

子どもたちに最も伝えたいこととしては、今という時間に情熱を注いで思いっきり生きて欲しい。その与えられた生命を生ききってほしい、ということです。今という時間に対して真摯に向き合うこと。いつも素直に吸収し、変化・成長を絶えず続けていくこと。覚悟をくくってやると決断したなにかに情熱を燃やして取り組むこと。とにかく、それをし続け、そのプロセスを思う存分楽しんで欲しいと思います。

 

私が大好きなガンジーの言葉で、「人生において最も重要なのは、生きた結果ではなく生きることだ」というものがあります。

 

結果というものは何事でも最終的に出るけども、そこが最も重要ではない。結局はそのプロセスで本気で「生きたかどうか」が一番大事なんですよね。この言葉は僕が本当に好きな言葉で、人生の本質を突いているなと思います。

 

でも、個人的には「結果が大事ではない」とは一切思わない。プロセスが本当に価値あるものなのであれば、少なからず結果はついてくるはずです。なので、正真正銘の本気の想いを詰め込んで、結果を追い求めつつ、毎日の今という時間に真摯に生きて欲しい。これが私からの最後のメッセージです!ありがとうございました。

 

 

 

 

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